届けたいのは
 ハートです。

どこでも医療 ドクターカー



過疎地域や災害発生時の被災地など、医療従事者が不足するところへ飛んでいき
心身に不安を抱える人たちの話を聞き、必要な処置をする。
あるいは、余命幾ばくもない方が人生の最期
行きたいところへ出かけ、会いたい人に逢いに行く、そのお手伝いもしたい。
そう、ドクターカーで届けたいのは、ハートなのです。
ハートは、心。
ハートは、愛。
ドクターカーに愛と祈りを乗せて、みなさまのもとへ
どこへでも飛んでいく。
これが、私の願いであり、実現し続けていきたいことなのです。

医師 尾﨑 道郎 

能登へ医療を届ける。
- Protect NOTO -

2月最初の連休(10~12日)、ドクターカーで初めて能登へ行きました。
七尾の開業医の先生と繋がることができ、能登へ医療を届ける活動を後押しいただけたのです。
壊滅的な被害を受けた能登半島では、開業医の医院再開のめどがたたず、医師の流出が跡を絶たない状況です。現地の人々の不安は、言葉には言い表せません。
また、ここで医療行為が行われなかった場合、二次災害が増加してしまいます。
私一人ではどうにもなりませんが、幸いなことに現地の方々に助けていただきながら、避難所を訪問することが出来ました。
今後は、月に1~2度の割合で訪問し、少なくとも2~3年、現地の状況が落ち着くまでは通い続ける予定です。

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日本各地で過疎化が進むなか、かねてより移動診療所の必要性を感じていました。
しかし個人での製造や所有は費用面をはじめ多くの課題が立ち塞がり、なかなか決断できずにいました。
そんな時、東日本大震災が起きたのです。
甚大な被害は広範囲にわたり、最も医療が必要とされる状況であるにもかかわらず、医師でさえ被災してなすすべもない。
そうなれば、もはや外部から医療を届けるほかありません。
日本人にとって忘れがたい災害となった東日本大震災が、ドクターカー製造の決意へと繋がりました。

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覚悟が決まったものの、製造を請け負ってくれるところが、なかなか見つかりませんでした。救急車や診療車を製造している大手メーカーからは、「個人の発注には対応していない」という理由で断られてばかり。
なんとか見つからないかと粘るうち、北海道で特殊車両を製造している「札幌ボデー工業株式会社」が声を上げてくれました。
当時、私のホームは東京でした。札幌まで打ち合わせ等々で出かけるのは、なかなか大変です。が、そんなこと言ってられません。
自分で書きおこした設計図を携えて、札幌まで通いました。さらには模型まで造りました。設計図よりも希望をご理解いただきやすいと思ったからです。これには鉄道好き、模型好きが功を奏しました。

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仕様が決まり、着々と製造が進む中、車体デザインが上がってきました。
正直なところ、「え?これ?!」と驚いたのです。
私はデザイン的なことに対しては、素人以前、センスにも自信がありません。
けれど、おずおずと、「このピンク色ってさすがにどうなんでしょう」と伝えたのです。
すると、関係者一同、「これだからいいんですよ!」という反応。
そうなのかと思ってあらためて見てみれば、温かみがあって愛嬌もあり「救急医療」という緊迫したイメージとは、良い意味でかけ離れています。
私が届けたいのは、安心です。
緊急対応をしながら、その向こうにある「安心」を届けたい。
それに、淡いピンク色は、日本人の大好きな桜を思い起こさせます。
色彩心理学的な観点からすると、淡いピンクは安らぎの色だそうです。産婦人科では淡いピンクを採用するところが多いのですが、それは女性がホッとするように、お母さんが無事妊娠出産を終え、母乳の出も良くなるように、という狙いがあるのだとか。
そんなわけで、このデザインに決定しました。
おかげさまでどこを走っていても、すぐに見つけてもらえます。

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様々な工夫を凝らし、ようやくドクターカーが完成したのは2014年。
決意からおよそ3年が経過していました。
実は、それから10年間、ドクターカーが実働する機会は多くはありませんでした。
私の仕事が忙しいこともあり、なかなか思うように動かせなかったというのが正直なところです。
それが一変したのは2024年元旦。
そう、能登半島地震です。
札幌の製造会社で創っていただいたため、厳寒地でも走行可能な仕様となっています。
この偶然、いや必然に、身震いしました。
折しも私自身の仕事も新たな局面を迎え、ドクターカー出動の機が整ったのです。

ドクターカーにできること

  • 内科検診・診察
  • 簡易血液検査
  • 簡易超音波検査(エコー)
  • 全身麻酔が必要な治療(外科医の必要な手術は応相談)
  • 人工呼吸管理(酸素ボンベの関係で24時間以内)
  • 点滴用埋め込み型カテーテル治療
  • 超音波を使用したブロック注射(緩和医療に特化)
  • ドクターカーを求める地域やコミュニティの方々へ
  • ドクターカーにご関心のある自治体や医療関係者の方々へ